キャンバスの強みは、後続の新規パイプラインを継続的に生み出す創薬力です。
また、基礎研究の深まりと広がりは、派生する関連プロジェクトを生み出し始めています。
臨床開発段階に進んでいるCBP501・CBS9106に続く新規パイプラインの獲得活動や関連プロジェクトをご紹介します。
これまで進めてきた臨床試験のデータや基礎研究成果の積み上げによって、CBP501はがん細胞をただ傷害するだけでなく、がん細胞を免疫原性細胞死(免疫細胞の注意を集めるような種類の細胞死)に導くほか、「がん微小環境(がんの育っている周辺の細胞)」にも作用して、「がん免疫」や「がん幹細胞」に関わる広範な作用を示す可能性が明らかになりつつあります。
これらの新しい知見をもとに、キャンバスの基礎研究チームは研究の方向性をシフトし、「がん免疫」「がん幹細胞」など個別の作用に着目した候補化合物の探索創出を開始しました。
現在、CBP501の改良によるいわゆる次世代化合物の創出を目指す「次世代CBPプロジェクト」と、新たなコンセプトの免疫系抗がん剤候補化合物を探索創出する「NEXTプロジェクト」を手掛けています。
いずれも未だ基礎研究の段階であり、知的財産権の関係などで外部に公表できる情報は限られていますが、できるだけ早く具体的に公表できるよう努めていきます。
キャンバスは、企業・大学・研究機関等との共同研究などの連携によって、免疫系抗がん剤研究開発パイプラインを重層化する取り組みをおこなっています。
基礎研究の深化と広がりにつれて、関連するプロジェクトが派生することがあります。
こうした場合に当社は、それぞれの実現可能性や研究開発に要する時間・コスト、抗がん剤開発への波及効果などを勘案し、経営資源の分散にならない範囲で採りあげています。
現在は、抗がん剤として研究を進めている中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化防止効果の可能性が考えられるIDO/TDO阻害剤の用途拡大研究や、患者様ひとりひとりのがん細胞の遺伝子変異を利用した抗がん剤感受性予測方法の研究開発などを手掛けています。