経営方針事業の特徴と取組コーポレートガバナンス事業・経営リスクディスクロージャー・ポリシー
当社は、世界の抗癌剤の主戦場である米国市場において抗癌剤開発を進めており、この開発を長期に支えるための資金調達は、当社にとって最も重要な課題であります。
また、抗癌剤の一般的なマーケット拡大手法である適応拡大戦略を採用し重厚な開発ポートフォリオを組み上げるためには、最先行品の上市による収益を得る以前から後期臨床開発を同時に複数進行させておくことが必須であり、そのための資金をも確保する必要があります。
当社の開発パイプライン中で最も先行している化合物 CBP501 は、多様な細胞機能に関わる蛋白質カルモジュリンの制御機能を調整し複数の作用により抗癌活性を示す、独特の抗癌剤(免疫着火剤)です。
FDAの規制下において悪性胸膜中皮腫及び非小細胞肺癌(扁平上皮癌を除く)を対象とする臨床第2相試験を完了し、その後獲得した新たな知見を踏まえ、免疫系抗癌剤との併用による小規模の追加試験(「フェーズ 1b 試験」)を自社で遂行するべく、準備を進めています。
CBP501にかかる製薬企業等との戦略提携の獲得は、当社の最重要課題です。
また、可逆的CRM1(XPO1)阻害剤である後続化合物CBS9106 については、前臨床試験を終了した段階で実施した提携パートナー獲得活動の結果、2014年12月、米国Stemline社との間で、同化合物の開発・製造・商業化に係る全世界における独占的権利を供与するライセンス契約を締結しました。
現在は、Stemline社が進める臨床第1相試験の支援を行っています。
さらに、今後の継続的な研究開発パイプライン戦略を実現するために、新規開発候補化合物の創出・獲得にも注力してまいります。
当社は、癌細胞の細胞周期(細胞分裂に至る過程)が正常細胞と異なることに着目する独特の創薬アプローチを活かした抗癌剤の基礎研究及び臨床開発に取り組む、創薬ベンチャー企業です。
現在当社は、従来型抗癌剤との併用で実施した臨床第2相試験で得られた結果と新たな知見をもとに免疫系抗癌剤との併用によるフェーズ1b試験の準備を進めている抗癌剤候補化合物CBP501、並びに、臨床第1相試験段階にある抗癌剤候補化合物CBS9106(提携先における呼称:SL-801)の2つの開発パイプラインを有しています。
これらの化合物はいずれも、上記の創薬アプローチに基づいて構築した当社独自のスクリーニング(薬剤探索)から獲得されたものです。
特定領域に絞り込んだ創薬を自社独自の創薬基盤技術(「創薬エンジン」とも呼ばれます)を基に実施することで技術とプロダクトの両方を自社で創出するのが創薬企業であり、創薬プラットフォームを持たず開発途上の化合物を外部から導入して一定の開発ののち製薬企業へ導出する企業とは大きく異なるビジネスモデルです。
この付加価値の高いビジネスモデルを完成させ、企業価値の最大化を図るため、当面の対処すべき経営課題及びその解決に向けた取組みを以下のとおり認識し実施しています。
後続化合物で構成されるパイプライン戦略などにより開発リスクの分散や低減は図っているものの、CBP501は当社の将来の事業計画において最初の上市品と想定している化合物であり、この開発の成否が当社事業計画の実現の鍵を握っていると言えます。
失敗・遅延のリスクを最小限に抑え、かつ、最も早期に適切な適応によるNDA承認を受け、CBP501の上市を実現することが、当社の事業活動において最も重要な課題です。
当社は、2007年3月に武田薬品と締結した共同事業化契約に基づき、CBP501の臨床試験を実施してきましたが、2010年6月にこの提携を解消しました。その後は、自社の100%負担で臨床第2相試験の完了まで進めています。
将来の臨床開発を力強く推進するためには、可能な限り早期に新たな提携パートナーを獲得してリスクの最小化と開発の加速を図る必要があり、現在当社はこれを最重要課題として取り組んでいます。
医薬品市場においては、一品目のプロダクトライフサイクル全体から生み出される価値を最大化するため、既に上市された薬剤について当初承認を受けたのと異なる新たな効能や投与方法等でも承認を得て、適応を拡大していく戦略が一般的です。
特に抗癌剤においては、医療現場におけるニーズの高さなども相まって、適応拡大戦略は製品価値を高める有力な手法とされており、上市された抗癌剤の多くにおいて対象とする癌や併用する薬剤をさまざまに変更した適応拡大が試行され、この成否が、当該薬剤を保有する企業の価値に大きく影響しています。
CBP501は現在まで、悪性胸膜中皮腫及び非小細胞肺癌をターゲットとして臨床開発を進めてきましたが、承認獲得語に早期の適応拡大による収益最大化を図るために、これらのターゲット以外の効能に関するデータの収集等にも努め、CBP501の適応拡大に寄与する開発を積極的に推進していく方針です。
可逆的CRM1(XPO1)阻害剤である後続化合物CBS9106については、前臨床試験を終了した段階で実施した提携パートナー獲得活動の結果、2014年12月、米国Stemline社との間で、同化合物の開発・製造・商業化に係る全世界における独占的権利を供与するライセンス契約を締結しました。
現在当社は、Stemline社が進める臨床第1相試験の支援を行っています。
当社のような創薬企業にとって、新規の開発候補化合物パイプラインを継続的に創出・獲得し候補化合物の最適化を実施する創薬エンジンは競争力の源泉であり、その改良と充実は将来の継続的な成長のために必須のものです。
当社ではこれまで、正常細胞と癌細胞の細胞分裂過程の違いに着目した独自の細胞表現型スクリーニングを中軸とする創薬エンジンから、臨床開発段階の抗癌剤候補化合物CBP501、CBS9106を創出してきました。
これら化合物の臨床試験進捗や提携獲得により、当社の創薬エンジンは、外部第三者の評価を経てコンセプトの確立を図ることができたと考えています。
また最近では、CBP501臨床試験データから得られた新たな知見に基づき、創業以来の細胞表現型スクリーニングとは別に、「癌免疫」「癌幹細胞」など個別の作用に着目した候補化合物創出を開始しました。
これらの取り組みによって当社は、将来的な継続性ある競争力の強化と企業価値の最大化を図っていきます。
当社はコーポレート・ガバナンスに関する体制の強化を経営の最重要課題の一つとしております。経営の意思決定において、その合理性、迅速性を追求する一方で、透明性、公正性を保つためコーポレート・ガバナンスの健全な体制を維持できるよう、以下の機関設定、内部統制を実施しております。
※当社は、2016年9月27日開催の第17期定時株主総会において、監査等委員会設置会社に移行しました。
当社は内部統制システムを、下記経営組織・機関によって構成しております。また、当社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役を活用することにより、コーポレート・ガバナンスの強化を図っております。
○取締役会
毎月1回定期的に開催される取締役会並びに必要に応じて随時機動的に開催される臨時取締役会において、当社の経営に係わる重要事項に関し公正な意思決定を行っております。また、通常業務の執行に関しては、公正性を保ちつつ、業務フローにおける承認の迅速性を確保するため、社長以下簡潔な組織を構築しております。
取締役会は、現在7名で構成され、業務執行取締役の業務執行の監視を行っております。
○監査等委員会
監査等委員会を毎月1回、また必要に応じて随時開催しております。当社の監査等委員会の構成は監査等委員4名の全員が社外取締役であり、かつ、企業経営と企業法務に精通した人材を登用し、取締役会には監査等委員全員が常に出席して、業務執行取締役の職務執行及び会社業務の監査を行っております。また、監査等委員は監査等委員会以外の重要な会議に出席し、決裁書類の閲覧等を随時行っているほか、全部署について計画的な業務監査を実施しております。さらに、必要に応じて適宜監査等委員間の協議を行い、監査等委員相互の意見交換を実施しております。
○内部監査責任者
内部監査については経営企画室(1名)が担当し、経営企画室長が監査責任者となっております。
○コンプライアンス委員会
コンプライアンス委員会は原則、毎月1回の定例会議を開催しております。「コンプライアンスの体制・仕組みづくり」を主な活動内容とし、状況に応じ、社長に対し助言を行います。
当社の内部統制システムといたしましては、コーポレート・ガバナンスの健全性を保つため、基本方針を次のように定め、各職務を執行しております。
・取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保する。
・取締役の職務の執行に係る情報を保存及び管理する。
・損失の危険の管理に関する規程を定め運用する。
・取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保する。
・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保する。
・監査等委員がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合、当該使用人を置く、並びに当該使用人の業務執行取締役からの独立性を確保する。
・取締役及び使用人が監査等委員に報告をするための体制その他の監査等委員への報告に関する体制を整える、またその他監査等委員の監査が実効的に行われることを確保する。
・内部統制システムを構築して財務報告の信頼性を確保する。
・反社会的勢力とは一切の関係を持たないことを基本方針とし、不当要求や働きかけに対しては毅然と対応してこれを排除する。
これらを実現するため、組織規程(業務分掌、職務権限)、稟議規程等の諸規程を整備し、内部統制や責任体制を整備するとともに、内部監査により内部牽制の機能する組織的な業務運営体勢を構築しております。
当社の内部監査は、年初に立案した監査計画に基づいて実施し、被監査部署との意見交換の後、社長に報告されております。 また、当社の監査等委員監査は、監査等委員4名により、取締役会への出席、監査計画に基づいた業務監査、会計監査を実施しております。 なお当社では、内部監査担当者、監査等委員並びに会計監査人が、監査を有効かつ効率的に進めるために適宜情報交換を行っており、特に内部監査担当者及び監査等委員長は常時緊密な連携を行い、監査の継続的な改善に努めております。
以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及びその他開示資料における記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全部を網羅したものではないことにご留意いただく必要があります。
なお、文中の将来に関する記載は本資料作成時点(2018年8月)において当社が判断したものであります。
当社は、自社創出の薬剤候補化合物群を医薬品として開発する事業を主業務としております。 医薬品の研究開発の分野は、巨大製薬企業をはじめとする多数の強力な競合が存在し、さらに当社を含むいわゆる創薬ベンチャー企業が技術革新の質とスピードを競い合う業界であります。また、開発から製造及び販売に至る過程では、多くの規制に従って、長期間にわたり多額の資金を投入して事業活動を推進する必要があります。その将来性は不確実性を伴うものであり、当社の現在及び将来における事業についてもこのようなリスクが附随しております。
1. 医薬品開発の不確実性について
製品上市に至る医薬品開発の過程は長期かつ多額の費用を要するもので、開発が成功する確率は決して高くなく、開発のいずれの段階においても中止や遅延の判断をすることは稀ではありません。医薬品開発においては、様々な開発過程を段階的に進めていく必要があり、それぞれの段階において、開発続行の可否が判断されます。一般的に、その開発途上で中止の決定を行うことは稀なことではなく、開発が順調に進み製品化される確率は低いものとされております。
このリスクを低減・分散するため、一般には開発パイプラインを複数保有し、かつ、それぞれの開発パイプラインにバックアップ化合物を保有することによって、ひとつの開発候補化合物の開発において何らかの障害が発生した場合の対応策とすることが行われています。
当社におきましては、CBP501・CBS9106(いずれも臨床試験段階)・その他探索創出から最適化段階の、互いに独立した複数の開発パイプラインを持つことによって、開発過程において何らかの障害が発生した場合の事業遂行上のロスを最小限に留めるよう努めております。
しかしながら、当社のような規模の創薬企業にとって、ひとつのパイプラインが開発から脱落することはきわめて大きな影響があります。また、バックアップの類似化合物といえども臨床開発上は新規の化合物として取り扱われることから、当該臨床試験には遅延が生じることとなります。障害発生までに獲得した類似化合物での知見を活用することにより遅延の幅や遅延に伴う追加費用を縮小できる可能性はあるものの、研究開発に当初予想以上の期間及び費用がかかることは否めず、その場合には当社の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
2. 収益の不確実性について
当社が開発を進めている製品の販売から収益を得るには、当社が単独又は第三者と共同で、市場性のある医薬品の開発、許認可当局からの承認、製造及び販売のすべての段階において成功を収めることが必要であります。当社は、これらの活動において成功しない可能性があり、また、成功したとしても、当社の事業活動を継続するために必要な採算性を確保する十分な収益を得ることができない可能性もあります。
当社は現在、臨床試験段階のパイプライン2品目、探索創出から最適化段階のパイプライン4品目を有し、これらの開発を推進し製品上市に至ることによって売上高又はロイヤルティ等による事業収益を獲得するべく事業活動を行っております。しかしながら、現時点において製品販売に関する売上高はなく、現実に製品として上市するまでには相当の期間を要すると予想され、また、現実に製品として上市される保証はありません。
なお、当社は、現時点で想定している適応疾患の選定や提携手法・マーケティング手法等について、既承認の抗癌剤の市場規模やマーケティング実績等をもとに十分に将来の採算性を見込めるものと判断しておりますが、万一この判断が誤っていた場合、あるいはこの判断の基礎となる状況に変化が発生し当社がその変化に迅速に対応できなかった場合には、当社の財政状態、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
3. 遵守すべき法的規制等及び医療保険制度等の不確実性について
当社の事業計画は、薬事法をはじめとする現行の法的規制及び医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提としております。
また、たとえば「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」など、当社の事業活動において遵守すべき法的規制等についても、現行の内容を前提として事業計画を策定しております。
しかしながら、当社が開発を進めている製品が現実に製品として上市されるまでには相当の期間を要し、その間これらの規制や制度・価格設定動向等が変動しない保証はありません。もしこれらに大きな変動が発生した場合には、当社の計画する経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
4. 潜在的な競合について
当社の潜在的な競合相手は、主要な製薬企業、バイオ関連企業、大学、その他の研究機関等多岐にわたります。それら競合相手の中には、技術力、マーケティング力、財務状況等について当社と比較して優位にある企業が多数あり、当社開発品と競合する医薬品について、有効性の高い製品を効率よく生産及び販売する可能性があります。
したがって、許認可当局によって当社の製品候補の販売承認が得られた場合であっても、これら競合相手との競争次第で、当社の計画する経営成績に影響をきたす可能性があります。
5. 賠償問題発生リスクについて
医薬品の臨床試験を実施する際には、薬剤による副作用などに伴う賠償問題が発生するリスクが伴います。これに関し当社は、必要と認める損害保険への加入などによって、このような事態が発生した場合の財政的負担を最小限にするべく対応しております。しかしながら、賠償額が当該保険により補償される範囲を超える可能性は否定できず、その場合には財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
また、医薬品の開発及び製造には、製造物責任賠償のリスクが内在します。当社は将来、開発したいずれかの医薬品が健康被害を引き起こし、又は臨床試験、製造、営業若しくは販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負い、当社の業務及び経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、製造物責任賠償請求がなされることによるイメージ低下により、当社及び当社の医薬品に対する信頼が損なわれ、当社の事業に影響を与える可能性があります。
1. 提携契約に依存した事業収益計画について
当社は、製薬企業との提携契約が実現する予測に依存した事業収益計画を有しておりますが、現時点において、具体的な製薬企業との提携契約はありません。
今後、提携契約が確保できる保証はなく、また、それが確保できたとしても、相手先企業の経営環境の極端な悪化や経営方針の変更など、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性があります。
上記のような事態が発生した場合には、他の製薬企業との新たな提携等により、当社事業計画への影響を最小限に食い止める所存ではありますが、それが適時に実現できる保証はなく、その場合には当社の事業計画推進に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、一般に当社のような創薬企業と製薬企業との提携においては、製品上市前の収益として、「契約一時金」「開発協力金」「マイルストーン」を見込むものとなりますが、このうちマイルストーンは所定の成果達成に基づく収益であることからきわめて不安定で予測の困難な収益であり、開発の進捗の遅延が発生した場合には当社の当面の事業収益見込に影響を及ぼす可能性があります。
2. 少数の提携契約への依存について
当社が過去に有した製薬企業との提携契約は、CBP501について武田薬品と2007年3月30日に締結した共同事業化契約、並びに、CBS9106について米国 Stemline Therapeutics 社と2014年12月26日に締結したライセンス契約の2件です。
前者については、同契約は2010年6月15日付で解消いたしました。
後者については契約が継続しております。
当社は今後、CBP501に係る製薬企業との提携契約の獲得に努めてまいりますが、それが実現した場合にも、当社のビジネスモデル上、限られた少数の提携企業との契約に依存した事業計画を有する状況はその後も長期にわたって続くものと考えられます。
当社は、これらの契約については、当社にとって不利な契約改訂が行われた場合又は契約期間満了、解除、その他何らかの理由により契約が終了した場合にも当社の経営成績に与える影響が軽減される条項を盛り込むよう努めておりますが、かかる条項をもってしても当社の経営成績に及ぼす影響を完全に回避することはできません。
また、提携契約が終了した場合に当該パイプラインに係る代替の提携契約を獲得できる保証はなく、また、代替の提携契約を獲得できたとしても、開発スケジュール及び開発費用に大きく影響する可能性があり、その結果、当社の研究開発の推進、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
3. CBP501臨床試験データについて
当社は、これまでに実施した臨床試験のデータに基づき、CBP501については将来のNDA承認獲得に足る薬効の兆候が得られていると判断しており、当社が現在有している事業計画は当該判断に基づくものであります。
しかしながら、現時点において当社がCBP501の薬効を否定する重要な兆候がこれまでの試験データに表れているのを見落としている可能性は否定できません。
また、CBP501の薬効が許認可当局に確認されNDA承認及び上市に至るまでには、将来のピボタル試験(最終的な証明のための臨床試験)を経る必要があり、今後の臨床試験の過程において薬効の兆候が否定され、又は重要な安全上の懸念事項が発生するなどの問題が生じる可能性があります。
こうした場合には、CBP501に関する当社の事業計画の実現が困難となり、当社の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
4. 新規パイプライン獲得について
当社は、今後も新規薬剤候補化合物を自社で獲得・創出しパイプライン化していくことを基本戦略としております。
この戦略を確実に推進するために当社は現在も、スクリーニング法の改良など、新規パイプライン獲得・創出の可能性を高める努力を続けております。
しかしながら、現在すでに開発途中にあるもの以外の候補化合物を探索創出できる保証はありません。
万一、今後の研究開発において、何らかの理由で新規薬剤候補化合物の獲得・創出に支障が生じた場合には、当社の研究開発の基本戦略の変更を余儀なくされ、当社の経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
5. 研究開発費の増加予測について
当社は、今後さらに創薬研究開発活動を推進する計画であり、研究開発費は今後も増加することが想定されます。現在の開発品の上市等による収益確保に至るまでには一定の期間が必要であり、当面の間、累積損失は増大するものと想定されます。今後、外部との提携に基づき発生する収入等により、経営成績の早期改善を図ってまいりますが、当社の想定どおりに早期改善が実現する保証はありません。
1. 業歴が浅いことについて
当社は、2000年1月に設立された、業歴の浅い企業であります。また当社は、事業領域をいわゆる創薬領域に特化した特異な企業であり、現時点までに製品売上による事業収益がありません。今後、未だ経験していない事業上のトラブルが発生する可能性は否定できず、当社の業績に影響を及ぼすと考えられる様々な外部環境の変化について予想することは現状においては困難であると思われます。したがって、今後当社が成長を続けられるか等を予測する客観的な判断材料として過年度の経営成績だけでは、不十分な面があると考えられます。
2. 小規模組織であることについて
当社の研究開発活動は比較的少人数による体制を敷いておりますが、基礎研究から臨床試験に至るさまざまな研究開発段階における提携関係と業務受託企業の積極活用により、既存パイプラインの開発並びに新規薬剤候補化合物の探索を推進しております。また、今後の既存パイプラインの開発推進及び新規薬剤候補化合物のパイプライン化に伴い、さらなる研究開発人員の増加を計画しております。
しかしながら、何らかの理由により、提携関係又は業務受託企業との関係が解消された場合や、計画通りの人員の確保が出来ない場合、あるいは既存人員の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
3. 少数の事業推進者への依存について
当社の事業戦略を成し遂げるには、当社事業戦略を推進する各部門の責任者と研究開発員に強く依存するところがあります。今後も当社は優秀な人材の確保及び社内教育に努めて参りますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社の事業戦略及び研究開発の推進に支障をきたす可能性があります。 また、当社はこれまで、創業科学者であり当社の競争力の源泉となっている技術の創出者・発明者でもある河邊拓己を中心として基礎研究・研究開発をはじめとする事業の全般を推進してまいりました。河邊は現在も代表取締役社長として当社の意思決定及び事業運営にあたって広範かつ中心的な役割を担っております。
当社は、少数の事業推進者に過度に依存しない体制を構築すべく経営組織の強化を図っておりますが、当面は河邊への依存度が高い状態で推移することが見込まれるため、何らかの理由により河邊が当社の業務を遂行するにあたって困難をきたした場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
4. 科学顧問会議(SAB)について
当社は、社長の諮問機関として、抗癌剤の臨床開発にかかる経験を豊富に持つなど当社の研究開発への貢献が期待できる科学者による科学顧問会議(SAB)を組成しております。SABミーティングは、2002年3月の発足以来定期的に開催され、基礎研究から臨床開発に至る情報交換や議論を行っています。 今後も当社は優秀なSABメンバーの確保に努めてまいりますが、現在のメンバーとの間の契約が更新されないなど、何らかの理由によりメンバーの確保が困難となった場合又はメンバーの流出が生じた場合には、当社の研究開発の推進に何らかの支障をきたす可能性があります。
5. 研究開発の主要部分に関するアウトソーシングについて
当社は、広く社外にも有能な専門家の参加を求め、これによる機動的な事業運営を図るため、以下に掲げる研究開発の主要な部分について、アウトソーシング契約に基づく外部委託に依存しております。
・化合物の最適化およびこれに関連する化合物合成業務
・IND申請のための非臨床試験及び臨床試験に用いる、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造設備及びその品質管理・製造管理に関する規則)に準拠した原薬製造業務
・臨床試験のコーディネート(CRO)
これらの契約につき、当社にとって不利な契約改訂が行われた場合又は契約期間満了、解除、その他何らかの理由によりこれらの契約が終了した場合は、当社の研究開発の推進に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
6. 自然災害について
当社は、事業活動の中心となる設備や人員が本社周辺に集中しており、地理的なリスク分散ができておりません。この地域において地震等の大規模な災害が発生した場合には、設備等の損壊、事業活動の停滞によって、当社の業績及び財務状態は影響を受ける可能性があります。
当社は、株主をはじめ投資家、証券アナリストの皆様(以下、ステークホルダー)に、いかなる時も公正で信頼性の高い情報を継続的に開示してまいります。そのために、平等でかつ公平に情報を適時・適切に取り扱い、適正な評価を得ることを目指します。
当社は、適時開示規則にしたがって、「適時開示情報伝達システム(TDnet)」にて公開します。TDnetに公開した情報は、当社ホームページに速やかに掲載することとしています。また、適時開示規則に該当しない情報開示の場合であっても、ステークホルダーにとって有益であると当社が判断した情報につきましても、自主的に開示してまいります。
当社が開示する情報の中には、当社の計画、見通し及び戦略など、将来見通しに関する情報が含まれますが、これらの情報は開示時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものであります。そのために、その後の経済情勢や社会情勢等の外部要因の変化によっては、実際の業績が見通しとは大きく異なる結果となることがあります。
当社は決算(中間および四半期含む)情報の漏洩を防ぎ、公平性を確保するため、決算期日の翌日から決算発表日までを沈黙期間と定めております。この期間は、決算・業績見通しに関する質問への回答やコメントを差し控えております。ただし、この沈黙期間中に業績予想を大きく外れる見込みが出てきた場合には、開示規則に従い適宜公表することとします。
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