キャンバスは、2000年の起業以前から一貫して、進行してしまったがんの治療法開発を目指してきました。
それから20年余、現在のキャンバスは以下のような特徴・強みを有する創薬バイオベンチャー企業になっています。
キャンバスは、役職員総数20名にも満たない小規模企業です。
静岡県沼津市の本社では、基礎研究チーム、薬効薬理研究チーム、臨床開発チーム、管理部門、経営陣に至るまで、全役職員がひとつのオフィスでデスクを並べています。
また、同じ建物の中に研究室と簡易動物実験施設を保有しています。
この環境のおかげで、たとえば基礎研究で得られた作用メカニズム解析結果はただちに臨床開発チームと共有されて最適な臨床試験計画の策定に活用され、臨床試験で得られたデータは基礎研究チームとともに検討され次の新薬創出アイディアの源泉になることもあります。
この緊密な連携サイクルが、以下に挙げるようなキャンバスの強みを生んでいます。
私たちは、独自の創薬コンセプトの構築、それを具現化したアプローチによる候補化合物の探索創出、化合物の最適化、非臨床試験、そして米国FDA監督下での臨床開発に至るまで、創業以来現在に至るまですべての局面で、もちろん外部の専門家やアドバイザーの力も効率的に活用しつつ、ひとつひとつ自ら検討と試行錯誤を重ね、社内に知見とノウハウを蓄積してきました。
小規模企業にもかかわらず、独自に創出した複数の化合物を臨床開発段階に進めている実績は、この知見とノウハウの蓄積の賜物です。
キャンバスは、創業時から研究と開発を続けている「免疫着火剤」CBP501と、既に米国Stemline社への導出を済ませ同社が臨床開発を進めている「可逆的XPO1阻害剤」CBS9106という、臨床試験段階まで進んでいる複数の自社創出抗がん剤パイプラインを有しています。
この事実は、さらに次の候補化合物も継続的に創出できるキャンバスの創薬力を示すものです。
実際にその後も、創業の契機となったプロトタイプ化合物TAT-S216を源流として最適化を進めた化合物や、新しい発想で創出した化合物、既に承認された医薬品の存在するPD-1・PD-L1やCTLA4に続く免疫系抗がん剤ターゲット分子IDO/TDOの阻害剤、さらに現在は会社の基礎研究の方針を「がん免疫」にシフトし新たなコンセプトの免疫系抗がん剤候補化合物の探索(NEXTプロジェクト)を進めています。
以上ご紹介した特徴・強み、そしてそれらの蓄積と実績は、ともすれば細分化専門化に向かいやすい創薬製薬領域においてキャンバスが差別化していく重要な鍵であると考えられます。
キャンバスは中長期的に、現有している差別化要因をさらに深化・拡大し、抗がん剤創薬のどの段階にも対応できる創薬バイオ企業を目指していきます。